4.記念のお茶会
落成式最後の締めの行事となります、記念のお茶会を煎茶道・黄檗皎上月流の岡田皎上月お家元様が率いる会員14名のご臨席のもと、行われました。
このお茶会は、最後に「楷(かいじゅ)の会」がご来賓の皆様に感謝の気持ちを込めて、特別に岡田皎上月お家元様にお願いして行ったものでございます。
正面が北向きに変わり、ご来賓の皆様にはお席の向きを変えていただきました。
まずはじめに、東畑精一博士を偲び、落成式をお祝いしまして、岡田皎上月お家元様により、献茶のお点前から始まりました。
献茶とは、神仏に献ずるお点前のことでございます。
そのお点前が会場がしんと静まり返った厳かな空気で進むなか、煎茶道の飾りつけ、盛物につきまして、ご説明申し上げました。
煎茶道の飾りつけは、中国最古の本草学「神農本草経」にもとづき、上薬など薬草を飾ってございます。
上薬とは、不老長寿の効果があるとされております。
飾られておりました松竹梅の盆栽でございますが、松は冬の厳寒期にもその緑を失わず、竹はしなやかに伸び、梅は百花に先がけて咲く、これらは古くから「めでたき物のしるし」とされてきたものでございます。
本日の盛物につきまして、煎茶道の「万年大吉」とは万年青(おもと)、柚子(ゆず)、「万年如意」とは霊芝(れいし)のことでございます。
これらは、大変おめでたいお祝いの飾りつけでございまして、「万事意のまま」を表してございます。
いずれのものも、本日のようなお祝いの場にふさわしいものでございました。
本日、ご臨席のの黄檗皎上月流の会員14名の皆様のご紹介をお名前(フルネーム)の読み上げでご紹介申し上げました。
多くのご臨席を賜り、また端正なお着物が晴れやかで、所作のひとつひとつが美しく、日本人の心を表すそのものでございました。
献茶という神聖な儀式でしたので、大変、長い時間にも感じましたが、途中、ご来賓の皆様に「合掌」をしていただく場面もありました。
献茶が終わりまして、第1煎目が会員の皆様からご来賓の皆様方のお席へお配りがありました。
そのあと、本日のお茶菓子として、「柿の実きんとん」もお配りされました。
柿も栗も、古来より日本の自然の味わいを感じさせるものでございます。
続いて第2煎目もお配りされ、お茶の味わいが奥深いことに気付いていただいたことと思います。
ご来賓の皆様方がお茶をお楽しみいただきながら、これからの東畑記念館の運営につきまして、申し上げさせていただきました。
お茶会の最後には、黄檗皎上月流の皆様にご整列いただき、本日のお茶会の御礼を岡田皎上月お家元様からありました。
事前の準備から本日にいたるまで、大変お世話をおかけいたしました。
おかげさまで、この落成式を見事に締めくくっていただきました。
ご来賓の皆様方にとりましても心に残る落成式になったのではないかと思います。
黄檗皎上月流の皆様方に心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
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