東畑記念館の歴史

 日本の農業経済学の権威である松阪市嬉野井之上町出身の東畑精一博士の顕彰施設「東畑記念館(とうはたきねんかん)」は、明治、大正時代の伊勢平野の農家(かや葺き屋根)をモデルにして、博士の弟で日本を代表する建築家である東畑謙三氏(東畑家三男)の設計により1971年(昭和46年)に当時の三重県農業技術センター(現在の三重県農業研究所:松阪市嬉野川北町530)の敷地内に建設されました。

 
東畑精一博士は、この東畑記念館を県内の農業関係者に研修資料館として広く活用されることを目的に三重県に寄贈されました。

Photo_20211210215501 日本を代表する建築家で、東畑建築事務所の創業者でもある弟の東畑謙三氏が設計した記念館は、鉄筋コンクリート造平屋建ての床面積97.95平方メートルで、近代建築技術を駆使した構造設計となっており、博士の貴重な蔵書の保存に耐えうる施設として耐震性・耐火性に優れた設計で、1971年に中部建築賞協議会の中部建築賞を受賞し、建築物としても大変価値の高いものとなっています。

 また、天井壁面には、杉本健吉画伯の杉板大絵馬四面(農業に関する果菜、根菜、花き、家畜)が掲げられています。

 記念館には、東畑精一博士、博士の弟の東畑四郎氏の両氏より専門書が寄贈され保管されていましたが、1996年(平成8年)に約1万4千点の蔵書が三重県立図書館に移管されました。

 1971年(昭和46年)の建設からおよそ50年が経過し、現在では老朽化が激しくなり、外の屋根の一部が落ちるなど危険な状態となり、4年ほど前から敷地内への立入が禁止の状態となっています。

 このような状況で一刻も早い改修が必要ですが、施設管理者の三重県では県財政が厳しく、残念ながら改修のめどは全く立たない状況となっています。