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第4期・視察研修「愛知県・くらしと野菜」

 きょうはお天気にも恵まれ、貸し切りバスにて愛知県のダイコンを巡る「くらしと野菜」研修へ総勢21名で出発しました。

まずは、愛知県あま市にある「萱津神社」で研修を行いました。
萱津神社は、日本にある唯一の漬物神社であり、全国の漬物業者が毎年参拝に訪れています。

その由来は、昔、土地の人々がナスやウリなどの畑の初なりと、海からとれる塩を別々に神前にお供えしていたところ、時がたてばお供えの野菜は腐るのが普通でありました。
あるとき、お供え物の野菜と塩を一緒にカメに入れておいたところ、腐るはずの野菜から良い香りがただよい、不思議な味のする食べ物へと変化をとげたのでした。
人々は驚き、これは神様から賜ったものとして、まつられるようになったのです。

萱津神社の神主さまがこの神社のいわれなど、詳しくご説明をいただき、また我々も漬物がうまく漬かるように祈願をしてきました。

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次に訪れたのは、畑の真ん中にある「宮重大根」の記念碑です。
宮重大根は、現在の日本のダイコンのベストセラー品種でもある有名な「耐病総太り」という質実剛健な名をもつダイコンの先祖にあたります。

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次に昔、大嘗祭で天皇陛下に宮重大根をこの地から献上されたことを示す記念碑が建てられてあり、当時は畑の真ん中にあったものと思われますが、現在はある会社の従業員駐車場のど真ん中に建っています。
石碑に刻まれた文字が一字、間違っている記念碑です。

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午後からの研修は、守口大根漬で有名な扶桑守口食品株式会社の本社工場で行いました。
営業部長様から歓迎のごあいさつがあり、守口大根とはどのような大根かをご説明をいただきました。
守口大根は、市場には全く出回ることのない大根で、守口漬のためだけに作られる、しかもこの土地でしか栽培できない特殊な大根です。
守口漬の試食もいただきながら、古くからの適地適作の歴史を学びました。

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最後に、この会社近くの栽培ほ場を見学しました。
栽培ほ場の近くに守口大根のモニュメントもあります。
現在ではすべて収穫されたあとで、大根そのものはありませんでしたが、栽培地には捨てられた大根が落ちていました。
その大根に付着した土をみると、土というより砂で、しかもかなり細かいものでした。

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捨てられていた守口大根をバスの座席前のテーブルに置き、右の画像はそのテーブル上に細かく落ちた砂を拡大し、撮影したものです。

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砂の中でも大変細かいことがわかります。
河川敷で、堆積した砂地であったことと、心土がないために守口大根の栽培には適地適作となったのだと思います。

この研修で、それぞれ伝統野菜の産地となっているものは、長い歴史の中でその地域に根付いて地域の人々によって受け継がれ、育まれてきたものであり、深い歴史があることを気づいていただければありがたく思います。

受講生のみなさま、一日にわたる研修、大変お疲れ様でした。

作成者: 藤田育美(NPO法人三重スローライフ協会)

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