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メダケ・赤衣病 Stereostratum corticioides (担子菌類)

メダケ・赤衣病 Stereostratum corticioides (担子菌類)
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冬胞子(光学顕微鏡)
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↑×200倍(1目盛=5μm)     ↑×400倍(1目盛=2.5μm)

同定日時:2023年3月20日
標本採取地:三重県松阪市

メダケ赤衣病(あかごろもびょう)と読む。
糸状菌の一種で、担子菌類に属する。(さび病菌)

夏胞子と冬胞子を形成する多型性(形が異なる胞子ができる)である。
胞子の形成量は極めて大量である。

本種は絶対寄生菌であり、人工培養はできない。
さび病菌は生活環の途中に中間宿主を持つものが多く、生活環自体が複雑であるが、本菌は中間宿主を持たない同種寄生性である。
※中間宿主=さび病菌の生活環上に植物学的に異なる植物間で宿主を移動する。

ナシの赤星病(さび病)菌は、ナシとビャクシンを行ったり来たりする。
この場合のビャクシンは中間宿主である。

10~11月頃、稈(かん)上に白色線状病斑が出現し、表皮下に冬胞子堆が形成されて、表皮が破れて黄褐色の冬胞子の塊が出現する。
冬胞子堆は次第に盛り上がり肉質で塊状になり、稈の表面を覆うようになる。
冬胞子は長い柄があり、2室で[23~40]×[19~28]μm、壁は2~2.5μmと厚く、黄褐色で、各室に3個の発芽孔がある。

実際の冬胞子の大きさの計測では、25×20μmであった。

4~5月ごろになると冬胞子塊は粘質状~ゼラチン状となり幹の表面から次第に脱落する。
冬胞子堆の脱落した後に夏胞子堆が形成され、夏胞子堆は黄褐色粉状である。
夏胞子は柄上に形成され、倒卵形~楕円形で[16~29]×[13~24]μm、壁は黄色~淡褐色で表面に刺がある。
(※夏胞子については、発生時に採取し、顕微鏡画像を掲載予定。)

夏胞子により感染し伝染が広がると考えられる。

この病害は伐採して焼却処分するしかなく、登録農薬はない。
土中に菌があるので、表土の入れ替えも一時的に効果があるが、根絶は困難である。

個人的見解として、病原性は強くないとみられ、罹病によりメダケが枯死することはないとみられる。
不快病害という感じである。

「メダケ」はササであって、タケではない。

※学名の読み方:Stereostratum corticioides
ステレオストラツム・コルチシオイデス


同定者Fの雑感:
メダケがオレンジ色に輝く強烈なインパクトを持つ病害である。
今でこそ、病害の診断を行うが、その昔はどうであっただろうか。
この不思議にメダケが輝くさまは、「竹取物語」の「かぐや姫」でも出てきそうな雰囲気で驚いた。
日本昔話の作者はこのメダケ赤衣病に驚き、竹取物語ができたのではないかと想像する。


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